文明病

文明は人の生活を豊かにして、ひとりで生活することすら可能にしてきました。文明の進化にともない便利な道具や機械も発明されました。でも文明の利器を手に入れるということは「利器」を買うということに他なりません。人は多くの「利器」を手に入れるためにお金が必要になりました。

最初は生活に必要なモノを揃えていきます。しかし文明が進化していくにしたがって、生活に必要でなくても他人が持っていないものを欲しがるようになってきました。数百万円もする時計、数千万円もする自動車。時計も自動車も用途だけを考えればそんなに高いものは必要有りません。なぜ必要もないのに高いモノを買うかと言えば、自分しか持っていないモノを所有することで優越感を味わえるからでしょうか。

文明の進化がこのような風潮を生み出し、どうしても「自分中心」の世の中にならざるを得なくなりました。文明の進化に伴って「文明病」という精神疾患を患う人も出てきました。文明の進化はイコール人を幸せにしてきたのかが問われます。

「自分中心」にならざるを得ない世の中では、どうしても他者を助けようという意識が低下してきます。でも自分が幸福を感じられるのは「人に喜んでもらった」ときなのではないでしょうか。優越感はすぐに忘れてしまいますが、人に喜んでもらったとき「ありがとう」の言葉と満面の「笑顔」は忘れられません。