振り子の原理

歳を重ねてきますと変な分別もついて、手痛い失敗を恐れて傍観者をきどり、危ういことには手を出さないような生き方を選ぶ傾向にあります。
しかし反面、失敗を恐れずに果敢にチャレンジし続ける人もいます。
最期に「どちらの生き方が精一杯生きた」と思えるかは人それぞれでしょう。

喜びも苦しみもある、振れ幅が大きく、自分の背負った運命を必死に生きようとする生き方を賛美する哲学者は多いようです。
様々な体験をすれば当然「不幸な事」にもぶつかります。
しかし、「不幸な経験」と同じだけ「良いこと」も「幸福だと思うこと」も体験できます。
思い出したくもないような辛い出来事も、幸せで楽しい出来事も、同じ因縁でつながっているからです。
不幸な体験がなければ、素晴らしい思い出も体験できないわけで、両方があるから人生は面白いのです。

そういう意味では「振れ幅の大きい」人生こそ楽しめるということです。
自分の人生を振り返ったとき、「一番つらかった出来事」を思い出すことがあります。
「よくあんな辛いことを乗り越えてきたなあ・・」とため息が出ます。
でも、辛かった経験をしたから今の自分があるのですし、「これからも頑張ってみるか」というエネルギーになっていることは間違いありません。