成功者?

上京物語 喜多川泰

昇給どころか、減給されて退職を促される可能性すら年々高くなる一方です。
今の給料が少ないわけではありませんが、問題なのは生活していくために必要な額と同じだけのお金が必要なことです。
仕方がないけれど、もし給料が下がったとしても1~2年はこの会社で我慢しよう。
その間に次の手立てを考えよう、と思うのです。

この世の誰もが、幸せになりたい、成功したいと思って生きています。
今はそれを明らめてしまった人も、初めはそう思っていたに違いありません。
ところが、自分でも気がつかないうちに「こんなはずではなかった!」という人生になってしまいました。
それもそのはずです。
今の日本で普通に育ってきた人は、数々の情報や教育によって、欲しいものを次から次へと手に入れるのが成功であり、それを可能にするだけのお金を手にした人を成功者と呼ぶような価値観を植え付けられてきたからです。
そうしなければ、国も、企業も成り立たなくなってしまうからです。
その結果、多くの人が真の成功者とは程遠い、消費者、もしくは浪費者になってしまいました。
自分がそうなっているのに気づくのは、人生も後半になってからなのです。