成功体験の積み重ねとは

上京物語 喜多川泰

挑戦をやめて育っていった子どもたちは、小学校、中学校を経て、高校、大学へと進む過程で、受験に失敗しないように大切に育てられます。
つまり大学というのは、勉強において大きな失敗をしなかった人たちが集まる場所になりやすいのです。

いわゆる一流といわれる大学を卒業する人は、勉強において成功体験を重ねてきた人が多いわけです。
その事実だけを考えると、その先の人生においても有利な位置にいると誰もが疑いなく思っています。
ところが、彼らのほとんどは安定志向を持っています。
彼らの持つ安定志向とは、言い換えれば人生において失敗したくないという気持ちの表れです。
それは、自分らしい人生を手に入れるために挑戦する生き方よりも、失敗しないように挑戦しない生き方を選ぶことが多くなるのです。
結果的にそれは、失敗しないで成功する方法を探さなければならないという制約に苦しむことになります。
プライドの高い人は、「俺が失敗するわけにはいかない」と、強く思うようになり、ますます挑戦する勇気をなくしていくのです。