感性を養う

若くして結婚し子供を授かった私は、3食食べるのもやっとの有様でした。でも、その頃の生活は充実して楽しかったという記憶が残っています。
本業とバイトをかけもちして、1日12時間以上肉体労働に従事していましたが不安など微塵も感じませんでした。

ところが生活に余裕が出てくると不安に包まれている自分がいました。今の生活の土台がいつ壊れるかもしれないという漠然とした不安です。
頭の中では「大丈夫だよと」言い聞かせている自分がいます。
お金がなくて必死に生きていたときは楽しい思い出が、生活に余裕が出たときには不安に悩んでいるという矛盾した自分がいました。

「幸せ」は苦をつくり、苦が「幸せ」をつくるという言葉がありますが、「安定」は苦をつくり、苦が「楽」をつくるとも言えそうです。

生活の中のちょっとした幸せに気づける感性を養うこと。これに尽きるのかもしれません。