感性を取り戻す

「平凡が最高に幸せである」と自分に言い聞かせても、あまり変化のない毎日が続くと、「私はこれで本当にいいのだろうか?」とつい考えてしまいます。

ところが、風邪をひいたり、足の関節が痛んだり、体調がすぐれなくなると、「ああ、早く普通に戻りたい」と痛切に思います。
どうも問題は、平凡で何もない毎日を「無駄で虚しい時間と捉える自分」にあるようです。
日々の生活に追われ「感動する心を失っている」のです。

経済的、心理的に追い込まれると、この先どうしたらいいのだろうか?と悩みます。
こんな状況の時、人は得てして日々消えていくもの、失うものに心が捉われます。
今の状況をどうしたらいいのかを考えることが解決の糸口になるのに、1つのことに心が捉われていると他の重要な視点を見失います。
なにか問題が起きることが「生きている」ことであり、何もない生活は生きていないようなものです。
心理的に成長してくると、こうした日常の中に「幸せ」を見つけられるようになるのだと心理学者はいいます。

他者のことを思うことは、実は「自分のため」でもあります。
他者を思う心が「自分にもやさしくできる」からです。
やさしさは、自分一人で持つことはできません。
相手が必要なのです。

なぜ自分の人生に意味を見出せないのでしょうか?
それは、人を愛せないから、人を尊敬できないから、そして自分を愛し、尊敬できないからかもしれません。