悪夢

朝になると、毎日1億円の現金が届けられるという宝くじに当選しました。「どうぞご自由にお使いください。ただし今日中に使い切らないとあなたは死にます。人と食事をするのは構いませんが現金をあげてはいけません」というメッセージ付で。

最初は喜びました。今日一日、このお金で何を買おうかな?とワクワクします。知っている限りの友人知人を集めて昼間から銀座の高級レストランを貸し切り、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎです。時計を見ると午後3時です。どの位お金を使ったのか気になりお店の人に聞きに行きました。お店の人は恐縮しながら「2300万円になります・・」という。「えっー、まだそんなものしか使っていないの!!」と慌ててパーティーを解散して店を飛び出します。

向かった先は高級外車のディーラーです。店に入るなり「この店で一番高い車はおいくらですか?」と尋ねる。店員さんは手を揉みながら「あの車で3500万円になりますが・・」と真っ赤なスポーツカーを指さします。「えっ、そんなに安いの?もっと高い車はないのですか?」と尋ねるが、店員さんは冷たい声で「当店ではあれが一番高い車です」と言う。仕方なく、「それでいいです」と言って店を飛び出します。時計を見ると午後5時です。

今度は銀座で一番大きい宝石屋さんに飛び込みます。店に入るなり「この店で一番高い宝石はいくらですか?」と尋ねます。店員さんはニコニコしながら「このダイヤモンドです。大きいでしょう、これで4,000万円になります」と言う。私は頭の中で計算します。「レストランと車とダイヤモンドを買ってまだ9700万円しか使っていない。あと数時間のうちに300万円使わないと死んでしまう。あぁーーーーーー」と叫んだところで夢から覚めました。