心で探す

いのちの言葉 作家 高史明

サンテグジュペリの「星の王子さま」の中には、こんな言葉があります。
「大人というもののは、数字が好きです。新しくできた友だちの話しをするとき、大人の人は、肝心なことは聞きません。どんな声の人?とか、どんな遊びが好き?とかいいうようなことは聞かずに、その人いくつ?とか、兄弟は何人いますか?とか、目方はどの位?とか、お父さんはどの位お金を取っていますか?というようなことを聞くのです。そして、どんな人かわかったつもりになるのです」

考えてみると、近代の合理的理性はすべてを数に置き換えているのでした。ここに、近代科学思想の根拠があります。
サンテグジュペリは、「ほんとうに大事なものは、目では何も見えないよ、心で探さないとね」と言っています。