幸せは心が決めるもの

がばいばあちゃんの口癖 島田洋七 

私が、佐賀のばあちゃんの家に預けられたのは小学校2年生のときでした。
それから8年間、佐賀でばあちゃんと一緒に暮らすことになるのですが、その当時の生活はとにかく、今みたいに物のあふれていた時代ではありませんでした。
そして、私の暮らすばあちゃんの家は、その中でもひときわ貧乏だったのです。

たしか、小学校6年生くらいのときです。
佐賀に来てもう4年以上がたっていたんですが、ようやくアホの私にもわかってきたんです。
「ばあちゃん、うちって、ひょっとして貧乏ちゃう?」
「今ごろ気づいたんか!」このときばかりは、ばあちゃんもあきれ顔で笑っていましたよ。
でも、ことあるごとにばあちゃんは
「でも、心配せんでええ。貧乏には2通りある。明るい貧乏と暗い貧乏。うちは明るい貧乏や。しかも最近貧乏になったのと違う。先祖代々、由緒ある貧乏、貧乏5段の黒帯や!」

傍から見たら、とても苦労しそうな家庭でしたが、なぜこんなにもばあちゃんは明るく、前向きに暮らしていくことができたのでしょうか。
それは多分、2つのことを守り続けてきたかただと思うんです。
「世間に見栄を張らない」
「人を羨ましく思わない」
お金があるから幸せということではないんです。
幸せとは自分の心が決めるもの。
世間と比べたり、人を羨んでもなんの意味もありません。
人と比べて不幸だと思っている今の生活も、そんな考えやめてしまえば、十分幸せだと分かるはずです。
ほんとうの幸せは、いつも目の前にあるもんだと思うんです。