幸せの感じ方

dscn0404ホスピス(ガンの末期患者さん等を対象に延命治療よりも症状に現れる苦痛を和らげることを重視した施設)に入所されている方の思いを綴った本を読みました。

ガンになり思うように身体が動かせなくなると、自分の中の欲に変化が現れてきたと言います。

「今までは高級でおいしいものをお腹一杯食べたいと思っていました。でも今は胃ろう(胃壁と腹壁に穴を開けてチューブを取り付け外から直接胃に栄養剤などを注入する医療)ではなく、もう一度、自分の口で食事をしたいです・・」

「前は退職したら女房と海外旅行に行きたいと思っていました。でも今は、もう一度自分の足でトイレに行けるようになりたいと思っています・・」

「明日が無いというのは究極の絶望でした。でもそれから、残された時を穏やかな気持ちで過ごすには何が必要なのかを真剣に考えるようになりました。これまで私には華々しい出来事は何もありませんでした。つまらない人生だったと思っていました。でも自分は自分なりに真面目に地道に働き、子供たちも一人前に育てました。家族のために日夜一生懸命にがんばってきたと自負できます。また少しは社会のために貢献もできたと思えるようになりました。一生懸命に生きてきた自分を認めることができるようになりました・・。私の人生に満足でき、今はとても幸せです・・」