幸せの基準

福に憑かれた男 喜多川泰

同僚が30万円もらっている中、自分だけが40万円もらえる職場と、自分は50万円もらっているけど、自分以外の同僚はみな100万円もらっている中で働いている場合、どちらの方が「自分は幸せだ」と思って生きていけるでしょうか。
多分、前者の方が気分よく働けるのではないでしょうか。
つまり、自分が豊かであると思えるかどうかは、手にした富の大きさではないということが分かります。
多くの場合、幸福や豊かさの基準を自分の中に置くのではなく、他人との比較に置いています。
残念ながら、これでは絶対に幸せな人にはなれません。

欲しいと思っていたものを手に入れた瞬間は幸せを感じます。
でも、その次に訪れる感情は何でしょう。
それは「不安」です。
高価なもので、それを手にできれば幸せなのにと思って生きている人は、それが自分の人生に必要かどうかを考えているのではなく、それを実際に持っている人をみて羨ましいと思っているのです。