少しずつ行動を起こしていく

パニック障害、僕はこうして脱出した 円広志

どうしても調子の悪いときは頓服を飲めばいい。
そう思うだけで、気が楽になった。
逆説的に言えば、このパニック障害という病気、休んでいてもあまりよくならない。
たとえば、電車や車に乗るとする。
以前なら、乗り物に乗っただけで不安にかられるのではないかと考え、「予期不安」に襲われた。
ならば決められた薬を服用して、少しだけ勇気を出して乗り物に乗ってみる。
いきなり目的地にまで行けなくてもいい。
今日は1駅、明日は2駅、そしてあさっては3駅と増やしていく。
「よし今度は、終点まで行ってみるか!」
だんだんと、行動の幅は広がっていくものだ。

薬を飲んでも、何かに向かって1歩でも半歩でもいいから動き出すというアクションを起こさなければよくならない。

悪いときは悪いなりに仕事をこなし、それでも「飛んで飛んで」を歌い、アンコールもこなして、病気のことを忘れている瞬間があることには驚いた。
そして、その経験が自信を生んだ。