将来たべていけるかという不安 2

今、自分にとって楽しく充実しているという状態が、そのまま「成し遂げた成果」になっているのだ、とアリストテレスは言いました。

例えば、大事なプレゼンを控えて不安と恐れを抱いていたけど、無心で準備に取り組むうちに面白くなってきて、資料を完成させプレゼンをしたら、後に絶賛されてしまった、というようなことを経験した人もいると思います。

あるいは好きな相手に対して、ただ相手を楽しませたいという一心で自分もデートを満喫していたら、いつの間にかいい雰囲気になっていたということもあります。
つまりそこには打算がなく、状況をただ楽しんでいる自分がいるだけです。

目的を度外視してプロセスにのめり込んでいると、それとは反対の「目的達成を優先する思考」が、良い結果を導いてしまうのだといいます。
最初からいい結果を追い求め、目標から逆算して今やるべきことをやるのは、一見賢いようで実は「今この瞬間」に没頭している人よりもパフォーマンスは落ちるのだそうです。

「楽しいことを楽しまないで死んでいくな!」と言った先人がいます。
とはいえ打算的でなく、一ミリも結果を考えないという人はいません。
一生懸命にやって、あわよくばうまくいったらいいな・・という欲は人間につきものですから、頭のどこかに置いていていいのでしょう。
だけど一方で、その下心を忘れ、今ここのプロセスを楽しみ尽くしてみるという姿勢が大事なのだといいます。

自分が楽しいと本気で思える作業に全力で取り組み、充実した手ごたえを感じながら生きている人を、世間が放っておくわけがありません。
こういう人は、よき縁に恵まれるに違いありません。
こうして、将来食べていけるかという心配は、自然と解消されていくというのです。