安定

安定だと思って頼っているものは、ほとんどん場合「みんなも、そうしているから」ということがよくあります。
安定しているという根拠はどこにもありません。
安定していると思って選んだ会社が、ある日突然無くなってしまうこともあります。
本当は、ものすごく不安定な上に乗っかっていながら、まるで安定した人生を歩んでいるという錯覚を前提に、将来を設計しています。
若いうちは、自分の野望を実現するために、会社を利用しよう位に思っていました。
ところが、大きな買い物をしてローンを組んだりすることにより、だんだん会社を当てにする比率が高くなっていきます。
こうなると、今の安定を維持しようと思い、将来を案じ始め、不安になってくるのです。

長い人生の間には、会社が倒産したり、リストラに会ったり、給料を下げられてしまうことがままあります。
それなのに、ちょっとでも自分の予想と違う出来事が起こるたびに「自分の思い通りの人生にならなかった!」と嘆いていてはいけません。

むしろそれは、チャンスかもしれません。
新しい道を目指す合図かもしれません。
私は48歳の時、郵便局をやめて独立しましたが、そのきっかけとなったのは、大きな組織から羽ばたいてみたかったからです。
仲間からは「おまえは、馬鹿だなあ。このままもう少し我慢して働いていれば、退職金も年金も満額もらえるのに!」と心配してもらいましたが、あれから19年経った今、後悔どころか「ああ、あの時辞めて良かった」とつくづく思うのです。