夢をかなえるゾウ 水野敬也
この世界に存在するものは、粒子が集まってできたものです。
そういう意味では、人間も、植物も、石も同じ素材でつくられています。
すべてはつながっているのに、私たちはその一部だけを切り取って名前をつけ、全体から切り離された自分を生きているので、他の人に認められたり、優越したり、持っていないものを手に入れなければならないなんて思ってしまうのです。
でも、本当は超越すべき相手なんかいませんし、手に入れなければいけないものなんて何もありません。
なぜなら、この世界に存在するものは、形を変えただけの自分と同じものだからです。
ダンゴムシと自分が同じ粒子で構成されているように、自分が手に入れたいものも、遠ざけたいものも、同じ粒子でつくられた世界の一部だといえます。
目の前にある石が、かつては岩だったことや、これから砂になることを思い出せば、石も岩も砂も本当はつながっている一つのものであり、その中に自分も含まれているということです。
こう考えていくと、私はそんなに気張って生きていく必要はないのでは、と思ってしまいます。