子育て

日本でも少し前までは、みんなで子育てを支えあっていました。大正時代の岐阜県白川村白川郷の大家族では農作業の間、かごに載せた赤ちゃんを縁側に何人もずらりと並べ、お母さんたちは交代で休憩に戻り、たまたまその時泣いていた赤ちゃんに授乳をしていたそうです。もちろん自分の子であろうと他人の子であろうと区別なくです。

昭和30年頃は女性の家事労働や野良仕事の時間は1日平均して13時間半にのぼったそうです。ですから子守りは子どもの仕事でした。赤ちゃんは兄弟がおんぶしてオムツもかえました。

その後便利な電化製品が普及しはじめ、お母さんは少しずつ家事から解放されていきました。でもそれとは反対に子育てはお母さんの仕事になりました。昔の人々の暮らしは助け合わないと成り立ちません。家族はもちろん、隣近所の人たちも当たり前のように助け合いました。それ故に子どもたちが豊かに育つ環境が社会の中に存在していました。

現在は便利な世の中になりましたが、子育ては辛いものになってしまいました。今世界では個人の家のような環境で、保健センターの機能に加え誰でも自由に出入りができ、子どもを遊ばせながらお母さんがお茶を飲み休憩できる施設が増えてきているそうです。日本でも新しい取り組みが少しずつ始まっているようですが、できればお年寄りから赤ちゃんまでが一緒に触れ合える施設があればいいな、と思います。