子供の純粋な心を大切に

人間には生まれたときから先入観があるわけではありません。
「汚い」「怖い」「きれい」「楽しい」などの評価は、周囲から教えられるうちにだんだん身についてしまいます。
おかあさんが「まあ、汚い」と悲鳴をあげるような野良猫や野良犬でも、白紙の心を持つ子供にとっては親愛の情を示すとても素敵な対象ですので、走って駈け寄ったりします。

仮に野良猫や野良犬に皮膚病や感染の恐れがある場合でも「あの犬は汚いのよ。さわってはいけません。可愛がらなくてもいいのよ!」という概念を植え付けないことが大切です。
「ちょっと待ってね。その犬は病気みたいよ。さわると犬に痛い思いをさせて可哀そうだし、あなたにうつったら大変ね・・」と分かるように教えてあげればいいわけです。

「汚いからさわるんじゃありません」と言われ続けた子供は、弱者へのいたわりが育たないどころか、弱者をいじめの対象として見るようになります。
勉強ができないから、気が弱いから、みんなに嫌われているからという理由で「いじめ」に参加するようになるかもしれません。

中学生が浮浪者を残酷にリンチして殺してしまった事件がありました。
人を殺めた当の本人たちは「だって、あいつら汚いんだもん!」と、悪いことをしたという自覚すら抱いていなかったといいます。