子供には忍耐をもって

子供を相手に親が話すことの2倍聞くことは、とても忍耐のいることです。
でも、まどろっこしい子供の話を最後まで聞いてあげるのは、子供の知的な発育を促すうえで重要なポイントです。
「ねえ、おかあさん」と話しかける子供は、おかあさんが大好きです。
だからしょっちゅう、そう話しかけてきます。

「ねえ、おかあさん」という呼びかけの意味はいつも同じではありません。
ただ単に呼び掛けてみたいときだってあります。
そんな時は、家事の手を休めずに子供の顔を見て「なあに?」と返事をしてあげるだけで子供は満足です。
逆に真剣に何かを聞いてもらいたい場合、悩んだ挙句にようやくおかあさんに打ち明けようとしている場合もあります。
こういう時は親も真剣に受け止めてあげなくてはならないのですが、ともすれば「おかあさん、忙しんだから後にしてちょうだい」と邪険に扱ってしまうときがあります。
子供が今、どういう状態でいるのかを冷静に見極める努力をすることが親の賢さなのでしょう。

子供は大人のように言外の意味を察するとか、言葉の裏の事情をくみ取るような力は持っていないかもしれませんが、反対に大人なら軽く聞き流してしまうようなちょっとした一言も、しっかりと聞き覚えていることがあります。
おかあさんが隣の奥さんとおしゃべりしていて、何気なく漏らした夫への愚痴も、姑さんへの悪口も、子供の心にはどんどん沁みていっているのかもしれません。
それが後になって子供の口から発せられ、困ったことになることもあります。

自分が子供のだった時のことを思い出し、おかあさんがやさしく接してくれてうれしかったことを、是非自分のお子さんにもやってあげてください。