嫌いな人は変えられない

17世紀、オランダの哲学者スピノザは、「人間が他人や世界を恨んだりするのは、他人や世界を自分の意志でコントロールできる!」と考えてしまうからだと考えました。
それは人間の多くが「自分の行動を何とかしようとする意志など持っていない」ので、他人をコントロールできるのだという考えです。

物事は原因によって決定され、この原因も同様に他の原因によって決定される、このように物事は無限に進んでいきます。

誰かを恨んだり、嘲笑したり、嘆いたり、愚痴ったりするのは、その嫌いな相手が、自分の価値観と同様の考えができるはずだ、だから「行動を変えてほしい!」と考えてしまうからです。
しかしその人は、育った環境も、抱えているものの因果関係も、独自のものを持っており「自分を変えることは難しい!」のです。

何だか身も蓋もないようですが、こう考えると実は気持ちが楽になれるといいます。
相手のことを深く理解することによって、相手のことを許す気持ちが湧いてくるのだといいます。

相手を許す気持ちが、安らぎと幸福を醸し出してくれるのです。