失意の底から感謝を知る

人生を楽しむための法則 小林正観

九州の阿蘇に「大野勝彦美術館」があります。
大野勝彦さんという方は農業をやっていましたが、45歳の時、仕事中に牧場の草刈り機に手を挟まれて、両手を失ってしまったのです。
失意の底から、義手に絵筆を持ち始め、独学で絵を描くようになったそうです。
その作品が非常に美しいというので、多くのファンがいらっしゃいます。

たまたま美術館に行った際に、大野さんのお話を聴く機会がありました。
そのとき「自分はいろいろなことに、あれこれ文句を言っていたけれど、手が無くなったことでほんとうの感謝の意味が分かるようになった」というお話をされました。

自分の仕事がうまくいかない、恋愛関係や人間関係がうまくいかない、と言っている人は、全部キーワードは1つ。
感謝が足りないのです。
すべてに感謝してしまうと、世の中が完全に変わります。
でも、変えようと思って一生懸命やっているというのは、「今の状況が気に入らない」ということなので、状況は変わりません。
相手を変えたり、状況を変えるのではなく、自分が変わるのです。
相手が悪いとか、状況が悪いという評価を全部やめてみると、自分の側に解決策があることに気づきます。