大事な人に手紙を

ホスピス医の著書から

長い間、自分は無力であるという苦しんだ果てに、私はようやく無力でいいのだと気づきました。
本当に大事なのは、患者さんの問題を解決することではなく、医者としてではなく、一人の人間として患者さんにかかわり続けることだと分かったのです。

大事な人に手紙を書くと、死が怖くなくなります。
それは患者さん自身や、ご自分の人生について考えるきっかけになるからです。
自分一人で考えていてまとまらない思考も、人に話すことや手紙を書くことで、次第に輪郭がはっきりしてきます。
その過程で、ご自分が生きてきた意味に気づき、人生を肯定できるようになる方が多くいらっしゃるのです。