夢叶う 教え子との年賀状

ココロの架け橋 中野敏治

毎年、届く年賀状で教え子たちの成長の様子も感じることができます。
ある教え子の女子生徒から年賀状が届きます。
中学校時代「ニュースキャスターになりたい」と夢を語っていました。
勉強もとても熱心にしていました。
中学校を卒業してからの年賀状で、彼女の人生の変化を感じてきました。
高校に入学したころの年賀状では、部活動に夢中になっていた様子が書かれてありました。
大学受験の年の年賀状には「中学校の頃の自分の夢を叶えたい」と大学受験に向けて頑張っている様子がうかがえました。
大学に入学してからの彼女の年賀状には「テレビ局に行き、アルバイトをしている」という、夢を追いかけている姿がありました。

そして、大学を卒業する年です。
大学を卒業して、ニュースキャスターになるという彼女の夢は、この時叶わなかったのです。
この歳の彼女からの年賀状には、夢を叶えることの難しさが書かれてありました。
彼女はニュースキャスターにはならず、他の企業に就職しました。

それから数年後の年賀状は、写真入りの年賀状でした。
その写真には、素敵な男性と一緒に彼女が写っていました。
そして「結婚しました」「仕事と家事で忙しい毎日を送っています」と書かれてありました。
もうニュースキャスターへの夢は書かれてありませんでした。

中学校時代の夢をあきらめたかのように感じていました。
しかし、彼女はあきらめていませんでした。
その数年後の彼女からの年賀状には、この2月に家事を重視しつつ、ニュースキャスターとして働くことになったということ、20年越しの夢表現の1歩となったこと、などが書かれていました。
それから数年後、彼女はフリーのアナウンサーとなり、テレビ出演したのです。
そして現在、海外に住み、活動の幅を広げようとしています。