君たちへ伝えたい

ココロの架け橋 中野敏治

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。みなさんとは、1年間しか一緒に生活することができませんでしたが、夏休みに行った面接や全校集会などで、いろいろなメッセージをみなさんに送ってきました。
全校集会では「世界中の人たちが幸せになる方法」を考え、「恩送り」という言葉や、「ペイフォワード」という映画を紹介しましたね。「できないからやらないんじゃない、できないからこそやるんだよ」というメッセージと共に コンティニューという曲も聴いてもらいましたね。

自分の卒業証書をそっと開いてみてください。
この証書は、中学校を卒業したという証なのです。
次に自分の名前が書かれてありますね。
この卒業証書は、世界であなただけの卒業証書なのです。
その名前をじっと見てください。
その名前を中学校生活で何回呼ばれてきたでしょうか。
卒業証書授与のとき、学級担任の先生がみなさんの名前をしっかりと呼びました。
学級担任が中学生の皆さんの名前を呼ぶのは今日が最後です。
もう学級担任が中学生としての皆さんの名前を呼ぶことはできないのです。

次にあなたの誕生日が書かれています。
ここに書かれた日は、どんな日だったのでしょうか。
どんな日であっても、家族や親せきの人たちはあなたが生まれたことをどんなに喜んでくれたことでしょう。
あなたの命が生まれた日なのです。
今日までのことを振り返ってみてください。
どれほどの方に、どれほどのことをしてもらってきたでしょうか。
夜泣きをして寝付かなかったとき、ずっと寝ずにあやしてくれたのは誰ですか。
風邪やインフルエンザで熱が出たとき、心配してくれたのは誰ですか。
忘れ物をしたとき、そっと学校へ届けてくれたのは誰ですか。
部活動の大会や休日練習のとき、お弁当を作ってくれたのは誰ですか。
あなたが生まれた日から、たくさんの方々があなたを見守っていてくれました。
あなたは、どれほどのことをしてもらったでしょうか。
そして、どれだけのことを返すことができたでしょうか。

あなたにとって、一番大切な人は一番身近にいるのです。
人生はこれからです。
勇気と自信を持って、素晴らしい人生を歩んでほしいです。