古くなったユニフォーム

61歳男性の投稿

私は中学生時代、野球部に所属していました。
毎日、毎日、放課後は練習に明け暮れ、夕方遅くなるまで続けました。
ある時、古くなったユニフォームの背中部分が薄くなり、破れそうになっているのに気づいた母は、背中全体に大きく補強布を当ててくれました。
でも、それが気に入らない私は、「カッコ悪い、はずせ」と言ってしまいました。
それを聞いた母は、せっかく縫った当て布を、小さな刃物で1目1目はずしているではありませんか。

その手の甲に光るものが見えました。
涙です・・・。
”練習用だからいいんだ”と気づいたときはもう遅かったのです。
母の心を踏みにじって出た私の言葉は、今でも後悔しても後悔しきれません。

「お母さん、ごめんなさい・・」
「そして、ありがとうございました・・」