卓球の顧問に

ココロの架け橋 中野敏治

卓球の経験のない私が、男女両方の卓球部の顧問になりました。
卓球部に入部してくる生徒も新人なのに、顧問の私も新人だったのです。
部員たちの卓球好きに影響を受け、いろいろな所へ合同練習や練習試合に行きました。
部員の技術向上のためでもあり、私が卓球のルールや練習方法を教わるためでもありました。
夜、行われている社会体育の卓球の練習にも参加し、大人と一緒に一生懸命ボールを打つ部員も出てきました。
なかなか勝てなかった卓球部が、練習試合で少しずつ勝てるようになりました。
合同練習や練習試合も高校生と一緒に行うこともありました。

いよいよ新人戦がやってきました。
子供たちは、どきどきしながら当日を迎えました。
個人戦では入賞するほどの大健闘でした。
個人戦とは別の日に団体戦が行われました。

大会に出る選手が練習を始めると、その周りに選手以外の部員がついて、飛んできたボールを拾っているのです。
ボールを渡すときに「ありがとう」「がんばってね」という言葉が交わされていたのです。
団体戦が始まり、わが校の生徒は徐々に勝ち進んでいきました。
新人顧問が、新人部員を指導してきた部活動でした。
気がつけば、決勝戦にまで勝ち進んでいたのです。
団体決勝戦、最後のポイントが決まった時、勝利の女神は本校の部員たちに微笑みました。
初めての女子団体優勝です。