僕の生まれた日 4

病室のベッドで赤ん坊を抱いている女性がいる、彼女だ。
赤ん坊といっても、よくある玩具の赤ちゃん人形に俺の顔写真を引き伸ばしたヤツが張ってある、という雑な赤ちゃんだ。
ここで、もう一度失笑が起こった。
おもむろに画面の中の彼女がしゃべりだす。
「この子の名前はユウト。人の痛みが分かるやさしい子に育つように・・・」
俺役のテルが大写しになる。
その目は少し潤んでいるように見える。
そうだ、こうして俺は優人と名付けられたんだ。
「ほらね、君はちゃんと愛されて生まれてきたんだよ!」
と谷口ドラえもんが叫ぶ。
せっかく胸が熱くなりかけてきたのに、こいつの青白にペイントされた顔が台無しにする。