僕の生まれた日 1

「ぼくの生まれた日」ドラえもんの映画版ストーリーだ。
幼い甥っ子の子守がてら見に行ったドラえもんの映画。
まさか、その映画で自分が涙するなんて思っていなかった。

たしか、こんな物語だった。
主人公ののび太が、いつも通り両親から説教を受ける。
頭にきたのび太は「お母さんは本当の僕のお母さんじゃないんだ! だから、あんなに僕のことを怒るんだ!」などと、言い出す。
「じゃあ、タイムマシンで見に行ってみる?」と、ドラえもん。
こうして、のび太はドラえもんと一緒に、自分が生まれた様子を見に行く。
そこで、のび太は自分も知らなかった親の大きな愛情を目の当たりにすることになる。

映画で泣くことはなかった俺が、まさかドラえもんで泣いてしまうとは・・・こんな顔は、とても甥っ子に見せられないと思って、帽子を深くかぶり直したのを覚えている。
帽子をかぶっていて本当に良かった。
しかし、普段はクールなキャラで通っている俺が”ドラえもんで涙した”という出来事は、仲間内では単なる笑い話となり、今では「ユウトは号泣のあまりしばらく席を立てなかった」という尾ひれまでついていた。