何のために高校に行くんだ!

人のご縁ででっかく生きろ 中村文昭

宮田さんは中学3年生になりました。
中学までは義務教育ですから、これまでの暮らしで賄えましたが、卒業となると話は変わってきます。
1980年代、就職する生徒などクラスにはいませんし、宮田さんも当然、高校に行きたいと考えていました。
かといって、父親がそんなお金を出してくれるとは思えません。

宮田家の普通は、まず親子の話し合いでした。
「お前は、何をしに高校に行くんだ?」お父さんは聞きました。
「何って、別に。みんなが行くのが普通でしょ。僕のクラスでも進学しない生徒は一人もいません」
「みんなのことはいい。お前は何のために進学したいんだ」
「高校くらいは行っておかないと、将来のために・・・」
「遠い遠い将来のことなんて、15歳で考えてどうする。一番身近な将来は明日だし、1年後、2年後だ。これからの3年間を過ごす高校に、何のために行くのか説明できないようなら無駄に過ごすだけだ。そんな者は行く必要なし!」
その後、宮田さんなりに進学の理由を考えて父親を説得しましたが、父親の納得は得られず、結局、高校進学は断念せざるを得ませんでした。

友達が受験だ、予備校だと騒いでいる中、1人取り残された気持ちでいる宮田さんの孤独は深まっていきました。