人生をコントロールしようと思わないこと

ある若者が、会社を辞めるかどうか迷っていました。
理想と現実を天秤にかけて幾日も悩んだ挙句、あと3年、とにかく3年だけ、グッと我慢して勤務しようと決意しました。
3年間、一生懸命貯金して退職しよう。
それから、フリーランスとして独立しても遅くないと考えました。
そう考え、3年間の貯蓄計画を立てました。
安全な未来のための健全な選択だと思いました。

しかし、1週間後・・会社がなくなりました。
社長が会社を畳むといい出したのです。
売り上げが減少し、展望も芳しくなく、その他もろもろの理由で廃業を決意したというのです。

「ああ、あの退職するかしないか・・という悩みは何だったんだ?」若者は落胆しました。
「自分の選択が未来を100%左右すると思い込んでいたのに・・」
だから、何かを選択するたびに慎重になり、怖かったのです。

自分がどんなに右に行きたいと思っても、大きな流れに押し流されて左に行ってしまうこともあります。
もし違う選択をしても、結果は大して変わらなく生きていけるものなのかもしれません。
人生に正しい選択はないのです。
正しい選択をしたつもりが、そうではなかった、ということもあれば、誤った選択をしたと後悔していたのに、後から良い結果につながることもあります。

人生のすべてをコントロールしようとしないことです。
なぜなら、そもそも不可能なのですから。
そう、すべてが自分のせいではないのです。

歳を重ねても、悩みや不安はなくなりません。
でも、割と冷静でいられるようになります。
それは、自分の力でどうにもならないことを考えても仕方がない、と分かるようになるからです。
思いつめるほど悩めるのは若者の特権です。
でも、「歳を重ねて中年から老年になるのも、いいものだ!」ということを覚えておいてください。