人生の成功とは、楽しかったと言えること

人生の成功とは何でしょう。
精神科医の斎藤茂太さんは、こう言っています。
成功した人生か、そうでないかを見分けるのは、振り返ってみたとき「楽しかった!」と、即答できるかどうかです。
90年近く生きていれば、大抵のことはどうでもよくなります。
あの戦争中でさえ、それなりに楽しいことを見出していました、と言っています。

ヨーロッパでジョークが磨かれ、頻発されたのは戦争中だったと言います。
つらく、暗い時代であればあるほど、ユーモアや笑いを誘うように努め、現実を楽しんでしまおうとするのは、人間だけに与えられた英知です。
人の価値は、「何ができるか」ではなく、「何を楽しめるか」にかかっています。
ものごとを楽しむというのは、高度な感性なくしてはできません。

することがない人生は空虚です。
神経科を訪れる患者さんは、もっと忙しい毎日を送ることができれば、病気は吹っ飛んでしまう人も少なくないといわれています。

現代の仕事の多くは、機械に置き換えられてしまいました。
仕事の疲れのほとんどは、心の疲労となっています。
出版不況の中で、精神的に追い込まれ、大酒を飲むようになり、週末は死んだように過ごしていた人がいました。
彼は奥さんに「田舎に家を建てよう、それも自分たちの手で!」と提案され、今では週末に二時間かけて現地に行き、大きな木材をかついだり、セメントをこねたりの肉体労働にはまっています。
それ以来、週明けには明るい気持ちで、さっそうと出勤できるようになったそうです。

家を建てるという大事でなくてもいいのです。
週末の家事をやってみるなど、家事による疲れはかえって新鮮で、きっと心の疲れをほぐしてくれることでしょう。