下座に生きる 7

「おっさん、俺の残りがあったろうが!」
馬鹿言え! それはそうだが、伝染病者の残り物を食べたら、それこそ病気がうつってしまうぞ」と、喉まで出かかったが、それは言えませんでした。
かろうじて「箸もないのに食えるか!」と言って逃れると
「俺の匙があるぞ」と畳みかけるように言います。
そして、じっと見ている。
三上さんがどう行動するか、見極めようとしているかのようでした。

「お前さんの親切心がどこまでのものか、見せてくれ・・!」と言っているようです。
三上さんは困ってしまった。
結核患者の匙で残り物を食べたら、これは本当に感染します。
粥はすでに生ぬるくなっており、菌が増殖するには結構な暖かさです。

「お前は本当にいらんのか?」
「もう食べられん。早く食べろ!」
そこまで言われたら、三上さんは覚悟を決めました。
「よし、じゃあもらうぞ!」
合掌して食べた。味はまるでわからなかった。
噛まずに飲み込んだ。それでも匙も3杯目となると、落ち着いてきて、味も分かるようになり最後はお茶を注いで飲み干した。
「おーっ、食べたな」卯一はうなった。
「俺のやったものを食べたやつはいなかった。おっさんで二人目だ!」
これには三上さんが驚いた。