下る人生もまた楽しい

年齢と共に下がってきている身体レベルに合わせて、食事の量も欲望も減ってきました。
でも、それはとても穏やかな気持ちを醸し出してくれます。
毎日の日課であるジョギングでも、スピードを出すと息が苦しくなってきました。
そんな時は「ただ止まらないで走り続けよう!」と言い聞かせています。
「今日も、最後まで楽しく走れた!」・・・走り終えた途端、うれしさがこみ上げてきます。

若いころのように、血の騒ぐような刺激的な感覚はありません。
しかし山道を下るように、下る人生はとても景色がきれいで、登っている時には見えなかったものが突然見えたりします。
若い時に人の何倍もむしゃらに生きてきたという自負と、ピークを超えて下る人生を楽しむ、この両方を味わってこそ、良い人生と言えるのではないでしょうか。

毎日を平凡な一日、空しい時間と感じるとしたら、それは感性が鈍っているに違いありません。
いつでも、誰もが、平凡な生活を過ごせるわけではありません。
病気で苦しんでいる人もいる、介護で悲鳴を上げている人もいる、リストラで職を失っている人もいる、精神を病んでいる人もいます。
平凡な生活は、一日一日を大切に積み上げてきた結果として存在します。
「今日も、平凡な一日だった!」こう思えると、無性に幸せになれます。