ボーダー模様のマフラー 4

私はみんな外に出ていったと思い込んでいて、うっかり昼休みに教室でマフラーを編んでいたのだ。
しまった・・・・この子に嫌われたらクラスに居場所がなくなる。
「なにって・・・」
咄嗟に何か答えようした私の脳裏に、目を真っ赤にしたS先生の顔が浮かんだ。
嘘をつくのは間違いだと思った。
「S先生にプレゼントしようと思って。もうすぐ誕生日らしいから・・」勇気を出して言うと、Nちゃんはしばらく黙ったまま私の顔を見ていた。
「ねえ・・」Nちゃんが言う。
「それって・・・私も一緒にやっちゃ駄目?」
「えっ?」

予想外の言葉に、今度は私がNちゃんの顔を見返した。
「もちろんいいよ!!」思っていたよりも、かなり大きな声が出てしまった。
でもNちゃんは特に気にする風でもなく、私の前の席にどっかり座って「ねえ、それどうやんの?」と身を乗り出した。
「これって、やりだすと止まんなそうだね!」
私はすごく嬉しかったし、一生懸命かぎ編みに挑戦するNちゃんを使ってすごく可愛らしく感じた。