ホスピス

大往生した医療とかかわるな 中村仁一

一般にホスピスは、肉体的苦痛、精神的苦痛を軽減、緩和するサービスを提供する施設で、その入所資格は、がんとエイズの末期とされています。
しかし、その中心は肉体的疼痛の緩和です。
なぜなら、強烈な肉体的疼痛は、人格を崩壊させて、日常生活を送ることを不可能にするからです。
しかし、老人ホームで60~70名のお年寄りのガン患者をみてみますと、ガンに対して攻撃的な治療をしない場合、まったく痛みがないのです。

緩和ケアの考え方が、がんの早期から取り入れられるようになったとはいえ、現実問題として、ガンに対する攻撃的治療をやりたい放題やったあげく、刀折れ矢尽きた果てに到達する場所が、ホスピスになっているのではないでしょうか。
体を痛めつける治療を加減した方がいいのではないかと思うのですが、後を絶たないのが実情です。