ブランド品

みっともないお金の使い方 川北義則 

昆虫記で有名なファーブルは、ろくに学校にも行かず、林や道端で虫ばかり眺めて暮らし、昆虫学者として大成した。
私は、こうしたオタク系は一概に否定しない。
では、ただのブランド品買いあさりは?
こちらは、褒められない金銭感覚の持ち主か、強烈なストレスにさらされているか、そうでなければ精神的な病気だろう。

ブランド品は、確かにデザインも品質もすぐれているものが多い。
いい品だからブランドになった。
だが、その良さも分からないで、みんなが持っているからという理由で買うのはいただけない。
ブランドに凝る人の中には、自分の見栄のためというタイプの人がいて、彼女たちは買い込んだ品を包装も解かずに押し入れに放り込んで平気でいる。
高価なブランド品を買うという、その行為に満足している。
このタイプはやがて金欠になり、せっかく買ったものを押し入れから引っ張り出して売りに行くことになる。
売って得たお金で、またブランド品を買う。
その結果、本人の経済状況はどんどん悪化して、にっちもさっちもいかなくなる。

1つか2つ、好きなブランド品をもつのは楽しい。
だが、誰もが同じバッグを持っていたら「恥ずかしい」と思うのが正常な神経ではないか。