自分が下で、相手が上だと思って自分に劣等感を感じてしまうことが、コンプレックスだと考えられています。
注目したいのは、相手が自分に優越感を感じているとしたら、それもまたコンプレックスであり、劣等感の裏返しなのだそうです。
どの会社に勤務している、どこの大学を出ている、既婚している、お金持ちである、美男美女であるといった状態を他人と比較することによって優劣を決めているとしたら、それはコンプレックスです。
他人と名刺交換をして優越感を感じている人が、自分の有能さを会社、所属、地位で比較したがる傾向にあるのは不幸なことです。
自分の達成感は何によって得られるかというと、自分の能力をギリギリまで使って、クリアできるかできないかの課題に集中することです。
難しい依頼に自分の持てる限りの力を出し切れるかがすべてになります。
最初から挫折必死の難しい課題は、傷つくことが分かっています。
かといって、すでに持っているスキルで簡単の処理できてしまう仕事は張り合いにかけます。
できるかできないか、ギリギリの間にある仕事、自分の能力で、できるであろうギリギリの仕事、このような作業に没頭する状態を「フロー体験」と呼びます。
能力を限界まで使うので、他のことに関心が向かわず、のめり込んでいる時に、静かな高揚感と幸福感を味わうことができます。
他人の存在はもちろん、自分の存在さえも忘れているのです。