バーンアウト

若い人たちの中に「したいことがみつからない」「夢が持てない」「打ち込めるものがない」という人が多いと聞きます。
その背景には、「遣り甲斐があるのか」「どんな生き甲斐があるのか」「苦しいことはしたくない」といった感情が蠢いているようです。
家族を抱え、各種のローンを抱える年代になると、さすがにそんなことを言う人たちも減ってくるようです。
ところが、ローンや子育てから解放される頃になると、こうして頑張ってきた人たちの中には「いったい何のために俺は懸命に働いてきたのか?」と考えだす人が出てきます。

オリンピック出場を目指してきた選手が、突然やる気を失うことがあります。
いわゆる燃え尽き症候群で、何のために頑張っているのかが分からなくなると、心に穴が空いた状態になってしまうようです。

モーレツ社員の心に空いた穴も、燃え尽き症候群の1種であり、この場合は人生そのものの意味にかかわるものだけにずっと深刻のようです。
じつは成功や出世、会社を大きく発展させたり、お金持ちになったりといった「社会的成功」を本気に目指せば目指すほど、燃え尽き症候群という精神的な危機が訪れやすいのです。

人間の心は、対になる2つの感情を交互に行ったり来たりすることでつり合い、バランスが保たれています。
喜びと悲しみ・快と不快・ポジティブとネガティブ・楽しさと苦しさ・・。
人の心は、その間を交互に振り子のように揺れ動きながら、様々な出来事を吸収しようとします。
そのバランスが崩れたとき、燃え尽き症候群という感情が現れます。