ノウハウを伝授してもやろうとしない

人のご縁ででっかく生きろ 中村文昭

僕の所には、どんなウエディングをやっているのか教えてほしいと、訪ねてこられる業界関係者がたくさんいます。
言ってみれば競合相手ですが、「それは企業秘密、手の内は明かさない」とは、僕は全然思いません。
「お客さんに喜んでもらいたいから、1つ1つ手作りでこんなことをやっているよ。おたくらもやって、喜ぶ人増やしていってあげてよ」と、洗いざらいノウハウを伝授します。
ところが、せっかくお話しても、みなさん実行しません。
「それができたら理想ですよねー。でも・・・」
現実には手間がかかる、面倒だとやろうとしないのです。
たとえ現場スタッフが「やりたい」といっても、上の人間が許可しません。

あるホテルは、以前年間800組やっていた披露宴が、今は180組に激減したといいます。
それでもホテル経営者は旧態依然、型にはまったウエディングを続けようとします。

僕も一応経営者ですが、決算書は何年も見ていません。
月々の売り上げすら知らない社長です。
数字のことはすべて専務の兄にお任せ。
スタッフと抱き合ったり、からかったり、馬鹿言っては「飲みに行こか」「飯食いに行こか」・・・ただのお祭り男です。
でも僕らは、年間70組の披露宴を執り行い、年間100組のパーティーを受け、ちゃんと利益を出しながら、お客さんの予想を上回るサービスを追求しています。