セカンドオピニオン

いのちの言葉 ガン患者の会 竹中文良

ただし、セカンドオピニオンというと、自分の受けた診断治療に対する疑問だと思われがちですが、それは全く違います。
「抗ガン剤を何回もやったせいで自分は弱ってきた。医者はもっとやると言うが、本当に続けたほうがいいのか?」
「80歳になってがんと診断された。手術をすれば治るというが、受けた方がいいのか?」
というような、その人の死生観に関する相談が非常に多いのです。
そうなってくると我々のような臨床医だけでは難しいので、緩和ケアの先生も交えて話しを聞くようにしています。

この頃、晩年の生き方というものを考えるようになりました。
それは、できるだけ先のことを考えず、今できることを精一杯やろうということです。
人間が歳をとるということは、一言で言えば、乾燥と硬化です。
皮膚も乾いてくるし、もちろん細胞も乾いてきます。
そして硬くなる。
これに関しては鍛えるのは無理ですので、常に活発に動かしていくということが大事なんですね。
ですから、よく歩くということが大事だし、新しいことに常にチャレンジしていくことも大事だろうと思います。