コレストロールを控えること?

70歳からの選択 和田秀樹

2021年の日本人の死因は、1位がガン 26.5%、2位が心疾患 14.9%、3位が老衰 10.6%、4位が脳血管疾患 7.3%となっています。
実は日本では、心筋梗塞で亡くなる人は非常に少なく、ガンに比べて12分の一しかいません。
日本のように心筋梗塞で亡くなる人が少ない場合には、コレステロールを控えることにほとんど意味がありません。
では、なぜ日本で心疾患が2位になっているかというと、理由が分からない死の多くが心不全とされ、心疾患としてカウントされるからです。
とかく医者は、理由のない死というものを認めたがりません。
そのため老衰のような場合でも、死因を心疾患に含めてしまうケースが少なくないのです。

老衰というのは、身体機能が低下して死を迎える自然死のことですが、近年になってようやく死亡診断書に「老衰」と書く医者が少しずつ増えてきたため、現在では死因の3位になってきています。