キャリアを手放す勇気 7

 

キャリアを手放す勇気は10番まで続きます。
とても為になる経験が記されているので、もう少しお付き合いください。

東大出身者の中にも、勉強ができたばかりにいい大学やいい会社に行けたが、ちやほやされてプライドばかり高くなって、ふと気がついたら本当は何がしたいか分からない、身動きが取れない、という人の声を聞きます。
高学歴の人の悩みは、世間的にはまず理解されにくいものです。
「いくらでも選択肢があるのに、何を贅沢言っているんだ」と思われがちです。

芸人になるにあたり安定的な収入は途絶えましたが、生活への不安はありませんでした。
マッキンゼーを辞めた時点で、「有名な会社じゃなくちゃ」、「正社員でなきゃ」などという見栄は消え去ったので、会社を選り好みしなければ、食い扶持は得られると思ったからです。

自分の感覚に正直になって、価値基準が強固になると、世間で持てはやされているステータスや価値観がどうでもよくなり、生きていて楽になりました。
さらに言えば、マッキンゼーの肩書をまとっている時よりも自信が持てるようになりました。
「幸せは自分の外に探すものではなく、自分の中にある」ことがよく分かります。
ものすごく大事なのが、自分は自分と割り切って「自分と人とを比べない」ことです。
「比べる相手は昨日までの自分だけ」でよいのです。