キャリアを手放す勇気 3

人生で絶対に失いたくないもの、それは私にとって家族と友人だったので、ならば「もう失うものはない」という境地に至りました。
自分のいちばん大事なものと比べたら「学問、エリート人生、きれいな履歴書、安定、安泰、収入、プライド、地位、名誉、世間体、体裁、すごいと思われたい、他人からどう見られるか・・」こういうことは心からどうでもよくなりました。

淡々と書きましたが、これは深夜にベッドの中で声を上げて泣いて、のたうち回りながら考えたことです。
こうして「マッキンゼーを辞めてお笑い芸人になってもいいんだ」と自分を説き伏せることができたのです。
母はさすがに「もう少し頑張ってみたら」とは言いませんでした。
食事をしても過呼吸になっている私を見て「これはもうダメだな」と悟っていたようです。

姉にも「マッキンゼーを辞める、お笑い芸人になる、ダメなら英語の塾講師になる」とメールをしました。
姉は外資系のIT企業で何年もバリバリ働いていたので、怒られるかなと思ったのですが、「楽しく生きた方がいいよ。やりたいことがあるなら幸せだよ。精神、病むと回復するのに時間がかかるから、そうなる前に気がついてよかったね。応援しているよ~」というものでした。