ガン治療を放置した医師の話し 4

日本人の死に時より 医師の書

医師は、ご自身で胃ガンを診断してから9か月後に62歳で亡くなりました。
まだ若いかもしれませんが、それだけ生きれば十分だと思うか、まだまだ足りないと思うかは気の持ちようでしょう。
あらかじめ、そのつもりでいれば、さほど短い人生でもありません。
だから私は、若いうちから心づもりが大事だと思うのです。

メメントモリとは、ラテン語で「死を思え」という意味です。
現世界に浮かれる人間への戒めですが、元来は「今を楽しめ」という意味も込められていたようです。
食べて、飲んで、今を楽しめ、いずれは死ぬのだから、というわけです。
現代では、死を想う前に老いを想わなければなりません。
それ位現代人の目は、老いの現実から逸らされているのです。