ガンに感謝

いのちの言葉 柴田高志医師

手術をしてから、私の生き方もガラッと変わりました。
まさにあるがまま、物事にあまりとらわれなくなったのです。
非常に気楽で、幸せな日々を送れるような気がして、ガンにかかったことに、今も心から感謝しています。
現場に復帰してみたら、手術前は「自分がやらなくちゃ」と思っていたことが、結構きちんと活動しているんです。
今まで何を力んでいたのかな、と肩の荷が下りたような気持でした。

その後、闘病者の方々が富士山に登ったりする、生きがい療法の実践会をつくりました。
きっかけは、山好きの患者さんでした。
その方は、世界中の山々に上っていたのですが、アルプスの最高峰、モンブランにだけは登ったことがなかったのです。
その方がガンになって、もうモンブランに挑戦できないのがつらいと言われたので「いや、そんなことはない、登ろうじゃないの」というと、大変感激されました。