もし今日が人生最後の日だとしたら

今日が人生最後の日だと思って生きなさい 小澤竹俊

まず初めにお聞きします。
もし今日が、人生最後の日だとしたら、あなたはどう生きたいですか。
最後の瞬間まで、仕事に全力を注ぎますか?
それとも、愛する家族と共に過ごしますか?

答えはおそらく、人によってさまざまでしょう。
どのような答えであろうと、あなたが選んだものが、あなたにとっての正解であり、あなたにとって本当に大切なことです。

多くの患者さんは、死が近づくにつれ、自分の人生を肯定するようになります。
たとえそれまで、「自分の人生に華々しいことは何もなかった」「つまらない人生だった」と思っていた人でも、「自分なりに地道に働き、会社の役に立った」「家族の幸せのために、一生懸命にがんばった」と考えるようになるのです。
家族や恋人、友だち、仕事、趣味など、その人にとって本当に大切なものは、大抵身近な所にあります。
そして人は、死が目前に迫って初めて「大切なものたちと過ごしてきた日々」の価値に気づくのです。