ほんの少しでも良くしたい

がん告知をされ、うつ的症状に陥った人に生きる希望や目的を取り戻してもらうために、言葉の処方箋を出している医師がいます。
「あなたの居場所はどこですか?」
「あなたは何のために存在するのですか?」
「どうすれば残された人生を充実させられると思いますか?」
自分を見失った人には、こうした人間の尊厳に触れる言葉をかけるのだそうです。

うつ的症状を解消して心を外に向けさせるためには、人間の最初にして最後の言葉と向き合わなければいけません。
それが「何のために生まれてきたのですか?」という問です。

今からでも遅くはありません。
それが「この世を去るときには自分が生まれたときよりも、ほんの少しでも良くしてから逝こう!」ということです。

ゆっくり走ると、ゆとりが生まれます。
人生はゆとりをもって、品性を保ちながら走り続けることが大切です。
周回遅れになっても、最後までは走り切った姿に人は感動します。

私たちには一人一人に役割や使命を与えらえています。
その意味では、みな平等です。
でも、どんな役割や使命を担っているかは人それぞれです。
そこでは、みんな平等ではありません。
与えられた役割や使命を果たすために生ききること、それによって、ほんの少しでも世の中のために尽くすことができれば、その人の人生は成功したと言えるのではないでしょうか。