ほんとうのプレゼント 1

私は三人姉妹の長女で、明日は真ん中の妹の8歳の誕生日。
今日は、真ん中の妹が寝静まってから、こっそりお母さんとケーキを作った。
一番下の妹も、眠たい目をこすりながら手伝ってくれた。

昨日作ったケーキを冷蔵庫の奥に隠して、みんなで学校へ行った。
帰ったら、晩御飯の時に妹の誕生日パーティーをするんだ。
誕生日プレゼントはお父さんが、妹の大好きなリカちゃん人形を買って来てくれる。
もう妹の喜ぶ姿を見るのが楽しみで楽しみで、授業が全然頭に入らない。

私と下の妹は先に家に帰り、真ん中の妹が帰ってきたら二人でクラッカーを鳴らそうと決めたんだ。
ベランダで見張りをしていた下の妹が、「おねえちゃん、ちーちゃんが帰ってきた!」と叫んだ。
私たちがクラッカーを構えると、間もなくドアが開いて真ん中の妹が家に入ってきた。
バン!バン! 「ちーちゃん、ハッピーバースデー!」
真ん中の妹は、目を待っ丸くして驚いた。
そして小さな声で「ありがとう」と言った。
でも、なんだか様子が変だ。
真ん中の妹は、目を泣きはらしていた。
私はあわてて、「これ、みんなで作ったんでー!」と、思わず先にケーキを披露してしまった。
妹は一瞬笑ってくれたけど、やっぱり元気がない。
そこへ「ただいま!」と、お父さんが帰ってきた。
「はい、お待たせ」お父さんの」手にはプレゼントが・・・。
「お誕生日プレゼントやで、おねでとう!」
でも、プレゼントを受け取った妹は、さらに俯いてしまう。
私たちは固まってしまった。
お父さんも、様子がおかしいことに気づいた。
「ちーちゃん、どうしたの?」ついにお母さんも口を開いた。
すると妹は、とうとうウワーンと泣き出してしまう。
「お父さんが、死んじゃう~」