ほんとうにやりたいこと

上京物語 喜多川泰

「やりたいこと」とは、本来お金を支払ってでも手に入れたいことのはずです。
ところが「将来、やりたいことは?」と尋ねると、「お金を稼げるものの中から、やりたいことを探す」のが常識になっています。
その常識の殻を打ち破って外に出なければ、人生を通じてやりたいことなんて見つかるはずはありません。

「やりたいこと」というのは、自分が世の中の人の役に立てると自信の持てること、それを通じて人を幸せにできると思えるものの中にこそあります。
だからこそ、時間の投資が必要になってくるのです。
その中で、自分ができること、知っていることの中で、世の中の人の役に立てるものが見つかります。
そのとき、初めて自分の人生を通じてやりたいと思えることが生まれるのです。

ここに至るまでは、相当の時間がかかります。
自分がお金を支払ってまでやりたいことが仕事になるまでには、熟成期間が必要なのです。