のび太 2

 

のび太は両親の会話を聞いている。

父 「おばあちゃんは? ずっと付き添っていたんだろう?」
母 「ご先祖様に報告するって、帰っていったわ。あなたと、入れ違いくらいよ」
父 「お袋、喜んでいたろう!」
母 「もう、顔中くしゃくしゃにして・・・。ところでこの子、どんな名前にするの?」
父 「ちゃんとね、考えてあるんだ。”のび太” ”野比のび太” いい名前だろう。名前の意味は・・健やかに大きく、どこまでも、のびて欲しいという願いを込めた名前だよ」
母 「いい子に育ってほしいわ」
父 「いい子に決まっているさ。君に似たら成績優秀間違いなし!」
母 「あなたに似たら、運動なら何でもこいのスポーツマン!」
父 「学者になるかな、政治家になるかな・・」
母 「芸術家もいいわね。絵でも彫刻でも音楽でも・・・」
父 「何でもいい。社会のために役立つ人間になってくれれば!」
母 「思いやりがあって、勇敢で、明るくたくましく、清く正しく美しく・・・」

のび太は、自分がいかに家族から祝福されて誕生したかを知った。
自分の将来を心から心配し、楽しみにしている父母の真心をずっしりと感じ取ることができた。

タイムマシーンで帰ってきたのび太は、急に勉強を始めた。
夜遅くなってもやめない。
「勉強しなさい」と言っていた両親、今度は揃って心配になり「体を壊すから、もう寝なさいってば!」と、オロオロするばかり・・。