どん底

Jリーグで花形プロサッカー選手だった人が、結婚式場を予約に行く途中、交通事故で「重度障碍者」になってしまいました。
事実だけを簡単に書きましたが、この光景を自分に照らし合わせて想像してみて下さい。

どん底に落ちた人の反応は2種類あるといいます。
1つは不幸を「人や周りや社会のせい」にして、怨んだり嘆いたりする反応です。
もう1つは、どん底の中で自分を見つめ直し、「どん底を克服すべく自分を変えていこう」とする反応です。

この選手は次のように言っています。
「サッカー選手だったころの自分は、自己中心的でわがまま、放漫、そんな言葉の似あう男でした。人を認めず、人を褒めず、何でも自分が中心だと思っていました。そんな考え方しかできませんでしたから、その後頂点に登り詰めるなんてきっとできなかったと思います」
「でも事故に遭った以降は、サーッカー時代のような考え方だけは、絶対にしないようにしようと、自分に言い聞かせました」
「とにかく人を誉め、謙虚になろうとそればかり考えていました。誰かのために何かをしようという考え方ができるようになったのです」

ほとんどの人間は、自己中心的になります。
私たちの脳は「好き、嫌い」「快、不快」で物事を判断していますから、どうしても自己中心的な考え方になってしまうからです。
ここで大事なことは「自己中心的な脳」では、どん底の困難は乗り越えられないということです。
どん底の情況の中で、変えることができるのは「どん底という状況」ではなく「自分を変えることだけ」です。
「自分が前向きに変わる」ことで、「状況も変わってくる」のです。